税理士はやめとけと言われるのはなぜ?税理士の魅力や働きやすい事務所の見極め方を解説
公開日: 2024年2月9日
更新日: 2024年11月13日
「税理士はやめとけ」「税理士は割に合わない」と書かれている記事に遭遇したことはありませんか?税理士を目指して情報収集を進める中で目にしたことがあるかもしれません。
本記事では、税理士に対するマイナスの情報が正しいものなのか検証した上で、「税理士はやめとけ」「税理士は割に合わない」の考えが本当なのかを解説します。
税理士の一般的なデメリットを払拭するには、所属する事務所選びが大切です。ホワイトな税理士事務所の選び方もご紹介します。
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税理士はやめとけと言われる主な理由5つ
「税理士はやめとけ」と言われる理由5つを紹介します。
- 税理士試験が難しい
- ブラックな税理士事務所が存在する
- 資格を取っても給料が割に合わない
- 人間関係が難しい
- 辞める人が多い
順に説明します。
1.税理士試験が難しい
まず税理士試験が難しい点です。税理士になるには、税理士試験に合格する必要があります。
非常に難易度が高い国家試験で、取得するには莫大な勉強時間に加え実務経験を要します。
一度取得すると一生ものですので、難しい分価値も高い資格です。
税理士試験の特徴 | |
---|---|
受験資格 | 制限あり (大学・短大での履修科目や、保有資格など) |
勉強時間の目安 | 5,000~10,000時間 |
合格率 | 1科目あたり10-20% 国内でも屈指の難関資格といえる |
試験科目 | 簿記論 財務諸表論 所得税法もしくは法人税法 選択科目(相続税法、国税徴収法、消費税法または酒税法、住民税または事業税、固定資産税) 上記のうち5科目に合格することが必要 |
受験する人の特性 | 働きながら受験する人が多い |
学習スタイル | 受験科目を選んで少しずつ受験できる 3〜5年ほどかけて長期で勝負する |
【関連記事】税理士の難易度は高い?合格率や科目別の勉強目安時間を紹介
2.ブラックな税理士事務所が存在する
次にブラックな税理士事務所が存在することが挙げられます。一般的に税理士事務所は激務のイメージがある職場です。
確定申告のシーズンである2〜5月は繁忙期で、残業が80時間以上になることもあります。
一方で閑散期は定時出社、定時退社になることが多く、すべての税理士事務所が一年を通して激務なわけではありません。
残業の多さや残業代の支払い方法は税理士事務所により異なりますので、就職する事務所の見極めが重要です。
【関連記事】ホワイトな税理士事務所はある?ブラック法人との見分け方や面接での確認点
3.税理士の資格を取っても給料が割に合わない
税理士の資格を取っても給与が割に合わない点も、理由の一つです。
資格取得まで2年以上かかるにもかかわらず、税理士になりたての場合はその手間に比べて給料が安いという意見があります。
3-1.税理士の年収は高水準
小規模な税理士事務所であれば年収が低い場合がありますが、一般的に税理士は高収入ですので、過度に心配する必要はありません。
令和4年度賃金構造基本統計調査では、公認会計士・税理士の平均年収は746.4万円です。
令和3年度に発表された日平均年収は443万円なので、平均よりも高水準であることがわかります。
【関連記事】税理士の平均年収は?収入アップをめざす方法8選を税理士所長が解説
3-2.税理士事務所によって給与水準が違う
とはいえ大手税理士法人の実際の求人を見ると、最低ラインは320万円〜と記載されています。
日本人の平均年収を下回る可能性がゼロとはいえませんが、すべての事務所が低収入ということではありません。
未経験でも資格があれば年収600万を提示しているところもあります。
私の感覚では、税理士資格を取った苦労に見合う給料をすぐに稼げていると思いました。
試験が長期化する分、働きながら受験している方であれば実務能力も付いていると思います。
そのため、それなりの収入を得られる実力は付いていることでしょう。
実力があるのに給料で報われないのは、勤務している事務所が問題かと思います。
昔ながらの事務所は丁稚奉公的な考えのところも存在しますので、その場合は税理士になっても年収がかなり低いです。
参照:厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」
4.人間関係が難しい
税理士の仕事は社内、社外ともに人間関係の悩みが生まれがちです。
10人以下など小規模な税理士事務所だと、所長との相性で働きやすさが左右される場合もあります。
50代以上の税理士は全体の約半数と高齢化が進んでおり、価値観が合わず悩む可能性があります。
クライアントと密に関わる仕事ですので、顧客との関係性も重要です。
クライアントの中には、平気で脱税相談など持ちかけてくる方も。
どんなクライアントとお付き合いするかは仕事の満足度や精神衛生上、非常に重要です。
参照:日本税理士連合会「データで見る税理士のリアル」
5.辞める人が多い
税理士は離職率が高いイメージを持たれがちですが、仕事のストレスで辞めているとは限りません。
独立開業して退職するケースも多いため、離職率が高く見えているのが現状です。
独立して自由な働き方ができる点はむしろメリットでしょう。
やめとけって本当?税理士の魅力3選
やめとけと言われることもある税理士ですが、それ以上にメリットの大きい職業です。
税理士の魅力を3点紹介します。
- 安定した収入を得られる
- 専門知識を活かして長く働ける
- 場所を選ばず働ける
順番に解説します。
1.安定した収入を得られる
税理士の資格を所有していれば、安定して高収入を得られる点が魅力です。
国民には納税義務があり、税金の計算は複雑かつ手間がかかるため、専門家が代行するニーズが安定しています。
ウィズ総合事務所では、安定して収入が得られる給与制度・キャリアプランをご用意しています。給与をしっかりと得ながら、スキルアップを目指せる環境、顧客と良好な関係を構築してやりがいをもって働ける環境が整っています。
現在当事務所では人材募集中です。「税理士はやめとけ」「割に合わない」と疑問をお持ちの方も、安心してご活躍頂けます。ご興味のある方は、詳しい募集情報を「リクルート」ページでご確認ください。
2.専門知識を活かして長く働ける
税理士資格には期限がなく、返納したり剥奪されたりしない限り長く働けます。
税理士としてのキャリアを重ねるほど知識やスキルが増えていきます。
長期的な就業や、産休・育休後の復帰がしやすいため、キャリアに困ることはありません。
3.場所を選ばず働ける
税理士資格があれば、自分のニーズを満たす働き方を実現しやすくなります。
全国どこでも税理士事務所での求人は見つかるため、家族の転勤で引っ越してもまったく問題ありません。
開業税理士としてフリーランスで働く場合は、場所や時間の自由度がさらに上がります。
税理士になるには個人の適性も重要
税理士になるには個人の向き不向きも重要です。
税理士に向いている人の特徴と、向いていない人の特徴を紹介します。
税理士に向いている人の特徴3選
税理士に向いている人の特徴は、以下の3点です。
- 学ぶことが好きな人
- コツコツと作業ができる人
- 体力がある人
当てはまっている人は、ぜひ税理士資格の取得を検討してみてください。
1.学ぶことが好きな人
学ぶことが好きな人は、税理士への適性があります。
税理士試験は難易度の高い国家資格です。
試験勉強も地道で忍耐力が必要ですが、合格してからも勉強し続ける姿勢が重要です。
税理士の仕事では、税制改正・経済のトレンドなど、常に新しい知識が必要になります。
担当する顧客の業界や経営の知識がなければ、満足のいくサービスが提供できません。
2.コツコツと作業ができる人
税理士の仕事はコツコツとした業務の積み重ねです。
地道なルーティン作業が苦にならない人も、税理士に向いています。
IT化、システム化は進んでいますが、目視で確認する場面も多いのが現状です。
3.体力がある人
税理士として働くには、繁忙期を乗り切る体力が必要です。
繁忙期は残業や休日出勤があるため、ハードに感じることがあるかもしれません。
働きながら税理士試験を目指す場合は、勉強時間を確保することも大変です。
税理士に向いていない人の特徴3選
続いて、税理士に向いていない人の特徴を3点紹介します。
- コミュニケーションが極端に苦手な人
- 大雑把な性格の人
- 数字に苦手意識がある人
順に解説します。
1.コミュニケーションが極端に苦手な人
税理士の仕事では、クライアントに説明したり提案したりする機会が頻繁にあります。
コミュニケーションが苦手な場合は、苦労する場面が多いでしょう。
相手の悩みやニーズを聞き出して、信頼してもらわなければなりません。
自分で調べてもわからないときは、一人で抱え込まず周りに相談することも重要です。
独立する場合は自分で顧客を獲得するので、営業力も必要とされます。
2.大雑把な性格の人
大雑把な性格の人は税理士には向きません。
税金を扱うため、一つの小さなミスでも全体に影響を及ぼす可能性があります。
意味を理解しないまま処理していても、いずれ明るみに出ます。
最悪の場合、契約の解消や損害賠償請求につながることもあるため責任感が必要です。
3.数字に苦手意識がある人
数字が苦手な場合、仕事上苦労します。
税務申告手続き、試算表・決算書の作成など、税理士には数字がつきものです。
会計ソフトが普及しているため、計算力よりは数字に興味を持って物事を読み取る力が必要です。
働きやすい税理士事務所の見分け方4つ
ホワイトで働きやすい税理士事務所を見分けるポイントは、下記の4点です。
- 給与・ボーナスの額が適切
- 科目合格者がいる
- 未経験者のサポート体制がある
- 資格取得支援制度がある
「税理士はブラック」「辞める人が多い」などと言われることがありますが、税理士自体は魅力的な仕事です。
職業自体が問題なのではなく、所属する税理士事務所によって働く環境が大きく左右されます。
順に説明します。
1.給与・ボーナスの額が適切
税理士の資格を持っていれば、未経験でも400万円以上が相場です。
給与もモチベーションのうえでは重要ですので、極端に低い事務所は避けてください。
給与のみを記載している事務所も多いので、ボーナスや資格手当も確認しておきましょう。
2.科目合格者がいる
税理士試験の科目合格者がいるかどうかも指標の一つです。
働きながら税理士試験を目指せるかを判断する基準になります。
税理士事務所として、仕事と試験と両立できることをアピールするのが普通です。
科目合格者がいない場合は激務すぎて人が辞めている、もしくは勉強と両立しにくい可能性があるので避けましょう。
3.未経験者のサポート体制がある
未経験者として就職する場合、放置されてしまうと成長できません。
教育制度や未経験からでも成長できる環境かを確認しておきましょう。
ただし未経験OKと記載されていても、誰でもいいから人がほしいという意図が隠されている場合があるため、見極めが必要です。
4.資格取得支援制度がある
資格取得支援制度がある税理士事務所は、働きやすい可能性が高いです。
具体的には、試験前の試験休暇制度有給制度や、教材・試験費用の援助制度を指します。
資格取得支援制度が無い事務所では、試験よりも業務を優先させられがちです。
激務すぎて勉強できない税理士事務所を見分ける指標にできます。
資格取得については事務所側も理解があるので、試験との両立をアピールすることが多いです。
ウィズ総合事務所では、試験取得支援に力を入れています。
制度の詳細は「リクルート」ページをご確認ください。
税理士はやめとけを上回る魅力的な仕事!長く働ける税理士事務所でキャリアを積もう
税理士はやめとけを上回る魅力的な仕事です。だし税理士事務所において、ブラックな環境の職場が残っている点は事実です。
税理士には定年がなく、所長税理士が高齢化しているがゆえ、働き方の考えをアップデートできていない事務所があることが理由です。
税理士の将来は明るく、「やめとけ」と言われる要素を上回るほど魅力的な仕事でもあります。
所属する税理士事務所の見極めは必要ですが、税理士の仕事が向いていると思う場合は、安心して資格取得を目指してください。
ウィズ総合事務所グループは税理士・社労士等の士業資格や簿記等の経理系の資格取得を目指している方を積極的に採用しています。
当事務所では資格取得に向けて全国でもトップクラスの支援制度を設けています。
一定の要件はありますが、教材費は事業者が全額負担しますし、最大2ヶ月間試験勉強に専念できる制度があります。
また、平常時においても1日6時間、週30時間を標準勤務時間としており、勉強、家庭、仕事のバランスがとりやすいように配慮しています。
働きながら勉強することは資格勉強にも相乗効果を生みます。
働きながら資格の取得を目指したい方は、ぜひウィズ総合事務所グループの採用の詳細をご確認いただき、よろしければご応募ください。
この記事の監修者
ウィズ総合事務所グループ統括代表 山本庸介
- 大阪大学薬学部、同大学院薬学研究科卒業
- 慶応大学経済学部卒業(通信教育課程)
- 大手製薬会社に勤務後、税理士を志す
- 2021年7月に大野市で山本総合会計事務所を開業
- 2023年9月に税理士法人ウィズ総合事務所を設立
税理士試験に2年で5科目合格(簿財消相法)。開業2年でグループ売上1億円に達する。
従業員が資格を取得しやすい制度・環境を構築し、本事務所を運営。事業者のお客様に対しては、本業に集中できるよう、「事務代行屋」として支援を行う。
監修者(弊所代表)の詳細はこちら。
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