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税理士への道 -36- 完結編④

スタッフブログ

公開日: 2024年1月10日

更新日: 2024年11月11日

安川大祐

こんにちは、安川です。
前回のブログはこちらから

税理士への道-35-完結編③

試験当日と仕上がり

あくまで自分の中では、過去最高の状態で本番を迎えようとしていたわけですが、試験直前になって一つ不安があったのです。それは、「4科目合格者には得点調整があるかもしれない」という話を山本先生から聞いたからでした。この話を聞いた途端にものすごく嫌な予感がしたんですよ。確かに、4科目持ちで最後1科目がなかなか受からないという話はよく聞く話だったので、信憑性が高い話です。自分にとっては、まさに寝耳に水だったのですが。こんな話を聞いても「大丈夫」と思えるぐらいには自信はなかったですね。結局のところ、いくら勉強したとはいっても6月からの2カ月の話ですし、「俺は1年間しっかり勉強してきた!」みたいなバックボーンが自分にはなかったので、合格に対する確固たる自信みたいなものなかったですね。あくまで、過去の自分の状態と比較したところ、今年の仕上がりが一番良かったので、「過去2年、今年より悪い仕上がりで合格したんなら、今年もいけるやろ」みたいことを思っていただけに過ぎなかったですし。

そんなこんなで試験前日。過去2年は試験当日に大野から金沢まで移動していましたが、今年は税理士受験生3名とも山本先生が官報合格を果たした年に利用したというホテルに宿泊しました。純度100%の観光ホテルって感じで、税理士受験生が前日に泊まるには贅沢過ぎるホテルでした。私はそのホテルに、普段TACの教材が送られてくる段ボールにテキストなどをパンパンに入れて持って行ったのですが、さぞチェックインを担当された方に不思議がられていたことでしょう。ホテルであっても集中して勉強できる環境だったので、本当にありがたかったです。過去2年と同様、眠れないことに変わりはなかったですが。

そして遂に試験当日。眠れない状態で試験に臨むのももう慣れました。5時ぐらいには寝ることをあきらめて、勉強を始めましたね。ホテルの朝食もメッチャ豪華でしたが、私はカレーだけ食べて、すぐ部屋に戻ってまた勉強しました。試験会場には8時過ぎには到着してたと思います。もう3回目なんで試験会場も慣れたもんでした。確か会場は2階で、国税徴収法を受けた会場と同じでした。でも、国税徴収法と比べると受験者の数が多く感じ、3人掛けのテーブルに常に2人座っているような状態だったので、若干圧迫感は感じましたね。

そして遂に定刻になり、毎度のごとく試験の注意事項がアナウンスされ、解答用紙が配られました。解答用紙に受験番号等を書くときに、解答用紙の内容ももちろん確認するわけですが、理論の解答用紙を確認したところ、グループ通算制度の問題であることがまず確認できました。計算問題も加算・減算とその計算過程を書くというオーソドックスなものだという確認もできました。この時点でいろいろイメージできたので結構落ち着けた記憶があります。

試験が開始すると、私は毎度のごとく計算問題から解き始めました。計算問題を解いていった感じとすると、決して難しい問題ではなかったです。ただし、難しくはなくとも単純な問題でもなく、細部に気を払わないとキチンと点数が取れないといった印象でした。実際問題、まず3月決算じゃなかったんです。直前の2か月間で数多く実戦問題を解きましたが、3月決算でないことはなかったので、それに注意することは正直言ってありませんでした。確か減価償却の問題を解いているときだったのですが、事業供用日が令和6年4月のものがあったんですよ。それを見た自分は、供用してないから償却限度額0円みたいなことを書いたんですが、なんか違和感を感じたんですよね。それで問題文の初めをよく読むと、まさかの5月決算だったんですよ。この影響は、減価償却だけでなく、その前の設問にも影響したので結構焦りました。そんなこんなで、計算問題を解くのに結構時間がかかりました。全部解くのに、70分~75分ぐらいはかかったと思います。その後理論問題にとりかかったわけですが、これはあくまで自分の体感の話ですが、とても50分で解ききれる(書ききれる)問題ではなかったと思います。問1のグループ通算制度の問題でも時間かかりましたし、問2と問3の問題もしっかり書こうとすると、それぞれ10分で解けるような問題じゃなかったと思います。問2では過少資本税制のことを詳しく書いて、「これ適用除外じゃん」ってなってから過大支払利子税制のことを軽く触れるぐらいしかできなかったですし、問3では金額などの税務上の処理は書けましたが、根拠規定は時間がなくてほとんど書けなかったですね。

試験が終わった時の手ごたえとすると、過去2年と大きく変わるものではありませんでした。つまりは、「絶対に落ちてるってことはないけど、絶対に受かったともいえない」という、いつものやつです。しかし、今年は試験が終わってすぐに自己採点をしました。実は税理士試験3年目にして初めてのことです。これは「試験が終わったらすぐに自己採点をして報告すること」という山本先生との約束があったためです。解答速報はTACと大原のみを見ましたが、点数とすると確かTACでも大原でも67点ぐらいだったと思います。TACだとボーダーラインより少し上という点数で、大原だともう少しで合格確実ラインという点数でした。大原だと確実ラインに近い点数だったので、受かっててくれって感じでした。でもこのとき自分が思っていたのは、やはり過去の自分との比較でした。

まず過去2年と比べたら仕上がりはよかった。そして試験の手ごたえは過去2年と比べた時に悪いものではなかった。それなら普通に考えて受かってるだろうと思いました。これで受かってなかったら、やはり過去2年に受かってた4科目が本当にまぐれとか間違いで受かってたか、もしくは法人税法だけ他の4科目と比べて特別な何かがあるとしか思えませんでした。でもまぐれは4回は続かないだろ(国税徴収法はラッキーパンチだったかもしれないですけど)とか、法人税法だけそんな特別なことないだろ、と自分には言い聞かせてました。毎度のごとく不安な気持ちを抱きながら、あとは11月30日の官報の発表を待つのみなのでした…。

次回に続きます。

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プロフィール

京都大学卒。只今税理士目指して勉強中。残りは税法1科目。前職は塾講師で、高校生に数学を教えながら経理をしていた経験から簿記2級・1級取得を目指したことがきっかけで税理士を目指すようになりました。趣味は筋トレで、これの効果か体重が15kgほど増加。

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