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big4税理士法人とは?業務内容や年収、特徴を比較

big4税理士法人という言葉を、税理士業界に興味をもつ人は聞いたことがあるかもしれません。「big4税理士法人で働きたい」「そもそもbig4税理士法人ってなに?」と思う人もいるでしょう。

本記事では、big4税理士法人の特徴や業務内容、年収を詳しく解説します。難易度が高いとされるbig4税理士法人の内定に近づくためのポイントも紹介しているので、big4税理士法人について知識を深められるでしょう。

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big4と呼ばれる税理士法人とは?

big4と呼ばれる税理士法人とは?

big4税理士法人とは、次の4つの税理士法人を表現した言葉です。

  1. PwC税理士法人
  2. デロイト トーマツ税理士法人
  3. EY税理士法人
  4. KPMG税理士法人

上記4社は、世界的に活躍している「4大国際会計事務所」のメンバーファームとして、税務サービスを提供しています。違いを整理するために、まずは1社ずつの概要を確認しましょう。

なお、業務内容については「big4税理士法人の業務内容」で紹介しています。

1.PwC税理士法人

名称PwC税理士法人
設立1998年
職員数約750名
国内拠点数4ヶ所
海外拠点数157ヶ国(グループ全体)
公式サイトhttps://www.pwc.com/jp/ja

PwC税理士法人は、プライスウォーターハウスクーパースグループの一員として、日本で税務サービスを提供している企業です。

企業税務やM&A税務、インターナショナルタックスの他、金融や不動産、貿易など幅広くカバーし、さまざまな分野のクライアントに対応します。また、DXを促進して経営課題の解決をサポートします。

2.デロイト トーマツ税理士法人

名称デロイト トーマツ税理士法人
設立2002年
職員数1,104名
国内拠点数18ヶ所
海外拠点数150ヶ国以上(グループ全体)
公式サイトhttps://www2.deloitte.com/jp/ja.html

デロイト トーマツ税理士法人は、総合的な税務サービスでクライアントの課題を解決する企業です。

国内に18ヶ所、全世界では150を超えるネットワークが強みで、世界各国の知識やノウハウをリアルタイムで共有します。公正を守り品質を重視した高度な税務サービスを、プロフェッショナルが提供します。

3.EY税理士法人

名称EY税理士法人
設立2002年
職員数約800名
国内拠点数5ヶ所
海外拠点数150ヶ国以上(グループ全体)
公式サイトhttps://www.ey.com/ja_jp/people/ey-tax

EY税理士法人は、EY(Ernst & Young)グローバルネットワークの一部として、日本国内で税務に関するプロフェッショナルサービスを提供する企業です。

全世界150以上の国で700を超える拠点があり、big4のなかでは最多の拠点数を誇ります。「よりよい社会の構築を目指すために」高品質な税務サービスで、クライアントの成長をサポートします。

4.KPMG税理士法人

名称PMG税理士法人
設立2004年
職員数約820名
国内拠点数6ヶ所
海外拠点数146ヶ国(グループ全体)
公式サイトhttps://kpmg.com/jp/ja/home/about/tax.html

KPMG税理士法人はKPMGジャパングループと連携を取り、専門家とともに税務サービスを提供します。

近年では、テクノロジーを駆使した税務マネジメントの提案や、ビッグデータを活用した税務コンサルティングのサービスを開始しています。

big4税理士法人の業務内容

big4税理士法人の業務内容

big4税理士法人の業務内容は法人によって多少の違いはありますが、主要なサービス内容を解説します。専門用語もわかりやすく説明しているので、ぜひ参考にしてください。

  1. 税務コンサルティング
  2. 税務代理
  3. 国際税務
  4. 海外在住従業員のための税務手続き

1.税務コンサルティング

big4税理士法人では、以下のような税務コンサルティングを提供します。

  • 組織再編
  • 事業承継
  • 企業再生
  • M&A

組織再編とは、会社の組織や体制を変更して編成しなおすことです。業績が悪化している事業は統廃合をしたり、反対に事業の拡大をめざす場合は他社から経営権を獲得したりするよう、アドバイスを行います。

また、M&Aの際には、買収する企業の資産価値を正しく評価するために「税務デューデリジェンス」を行います。買収する際のリスクや買収金額が妥当かなどを把握して、クライアントに伝える仕事です。

中小規模の税理士事務所でも、M&Aや事業継承のコンサルティングを行うことはあります。しかし、big4税理士法人のクライアントは、大手企業が中心です。

ニュースで耳にするような大規模なM&A案件は、big4税理士法人が担当しているケースも珍しくありません。今後の経営方針に大きく関与する、重要な役割を担います。

2.税務代理

税務代理とは、税務申告書の作成や税務に関する相談などです。big4税理士法人では「税務コンプライアンス」と表現されますが、一般的な税理士事務所で行う「税務顧問サービス」とほぼ同じ意味です。

ただし、規模の大きい会社を中心に担当するため、扱う数字も大きい点が特徴です。企業によっては、高度なスキルや知識が求められる場合もあります。

3.国際税務

big4税理士法人はネットワークを活かした国際関連の税務サービスも多く手がけており、日本国内で完結する取引を扱う税理士事務所では発生しない業務も担当します。

例として、以下の2つを紹介します。

  • タックスヘイブン対策税制
  • 移転価格税制

タックスヘイブン対策税制

「タックスヘイブン」とは、所得税や法人税などの税金を著しく低くしている地域です。そのような地域に資産を移して租税を回避するケースが増えたため、問題視されました。

タックスヘイブンを活用することは違法ではありませんが、行き過ぎた租税回避行為を規制する目的で、タックスヘイブン対策税制が定められました。

しかし、タックスヘイブン対策税制は頻繁に改正される他、対象条件も複雑なため、正確に把握するのは困難です。そのため、海外に子会社をもつ企業向けに、税務サポートを提供しています。

移転価格税制

2つめの移転価格税制とは、国をまたいだ海外関連会社との取引価格を適性に設定し、利益の移転を防ぐ仕組みです。税率は国によって変わるため、税金の負担が少ない国の関連会社に利益を集中させないことが目的です。

移転価格税制をはじめ、国際税務は専門性が高く慎重に行う必要があります。そのため、部署を独立させて対応するのが一般的です。

4.海外在住従業員のための税務手続き

一般的な税理士事務所と異なり、big4は個人の確定申告の手続きはほとんど行いません。しかし、海外に赴任しているスタッフの所得税や社会保険の手続きなどを代行するサービスは提供しています。

また、日本で勤務している外国人スタッフの税務処理などを行う場合もあります。相手国の税務知識が必要となるため、国際的なネットワークをもつbig4の強みを活かした分野です。

big4税理士法人の特徴

big4税理士法人の特徴

big4税理士法人の特徴を紹介します。

  1. クライアントは大手企業が中心
  2. 記帳代行や決算業務はほぼ無い
  3. 高度な知識・スキルが求められる
  4. 分業制が中心

big4税理士法人は、一般的な税理士事務所と異なる点が存在します。クライアントや業務内容の違いをまとめたので、チェックしていきましょう。

1.クライアントは大手企業が中心

big4税理士法人のクライアントは、大手企業やその関連会社が中心です。よって、個人事業主や、中小企業の経営者と関わる機会はほとんど無いでしょう。

将来、税理士として独立を考えているならば、顧客層は中小企業です。
一般的な税理士事務所でも経験を積んでおくとよいでしょう。

2.記帳代行や決算業務はほぼ無い

big4税理士法人では記帳代行や決算業務は担当せず、税務申告書の作成やレビューが大半です。(big4税理士法人ではチェック業務を「レビュー」と表現します)

クライアントは中規模以上の会社が中心のため、決算業務や申告書の作成は自社の経理部や税務部で対応していることがほとんどです。そのため、依頼される機会がほとんど無いことも、理由として挙げられます。

3.高度な知識・スキルが求められる

big4税理士法人では、一般的な税理士事務所ではあまり機会の無い、専門的な業務を経験できる点が特徴です。たとえば、国際税務や非居住者の個人所得税に関するサービスなどが挙げられます。

専門性が高く、高度な知識を習得したい方にbig4税理士法人はおすすめです。培ったスキルは武器となり、今後のキャリアにも活かせるでしょう。

4.分業制が中心

big4税理士法人では業務量が膨大なため、人数を確保して分業制を採用しています。担当分野の知識は深められますが、携われる業務の幅は限定されてしまう点がデメリットです。

部署によって扱う仕事は異なるため、さまざまな経験を積みたい人には向いていない可能性があります。

営業や新規開拓等は幹部クラスの仕事で、スタッフレベルではほとんど経験しないと聞きます。
独立開業を考えるならば、営業スキル(通常のコミュニケーション能力があれば十分)を身につけていかれるのがよいでしょう。

big4税理士法人の年収

big4税理士法人の年収

big4税理士法人の年収はどれくらいなのでしょうか。具体的には年収は公表されていません。なお、令和4年賃金構造基本統計調査によると、税理士の平均年収は746.6万円です。(公認会計士を含む)

同調査の企業規模別の調査結果によると、従業員が1,000人以上の企業の税理士・公認会計士の平均年収は以下のとおりです。

  • 平均月収:54万円
  • ボーナスや特別手当など:213万4,000円

上記を計算すると、861万4,000円です。ただし、役職や税理士資格の有無によって年収は異なるので、参考程度にしておきましょう。

big4税理士法人の求人の特徴

big4税理士法人の求人の特徴

big4税理士法人の求人に特徴はあるのでしょうか。big4税理士法人では複数のポジションで人材を募集しており、税理士資格を有していなくても応募できる職種・部門があります。

しかし、倍率は高い傾向にあるため、税理士資格や実務経験、英語スキルはあるほうが望ましいといえます。業務内容や求められるスキルは、それぞれの公式サイトをご確認ください。

【参考URL】

big4税理士法人へ入社する確率を上げるには?

big4税理士法人へ入社する確率を上げるには?

big4税理士法人へ入社する確率を上げる方法を解説します。

  1. 税理士試験で2~3科目以上の合格を目指す
  2. 英語スキルを磨く

big4税理士法人は人気が高く、入社したいと考える人も多いでしょう。PwC税理士法人、デロイト トーマツ税理士法人、EY税理士法人、KPMG税理士法人いずれも難易度が高く、採用のハードルが高い傾向にあります。

ここでは、ライバルと差をつけるための方法を紹介します。

1.税理士試験で2~3科目以上の合格を目指す

求人の募集要項にもよりますが、やはり税理士試験の5科目に合格していることが望ましいでしょう。ただし、3科目(法人税を含む)をクリアしており、英語力や実務経験があればチャンスはあります。

big4税理士法人は、税理士業界の中では入社難易度が高いと思いますが、昔に比べれば下がったと聞きます。
なぜなら、税理士受験生が減少していて、売り手市場になっているからです。

ウィズ総合事務所では簿記論と財務諸表論の同時受験で最短合格を狙う道をおすすめしています。詳しくは以下の記事をご覧ください。

【関連記事】税理士試験の5科目一発合格は難しい!最短合格を目指す6つのコツ

2.英語スキルを磨く

big4税理士法人で働くためには、ビジネスレベルの英語スキルは身につけておきたいところです。目安として、TOEIC700点以上はあるとよいでしょう。

なかには英語が必要ない部署もあるので、現時点で英語が苦手だからと諦める必要はありません。しかし、今後のキャリアを考慮して、英語もコツコツ勉強しておくとよいでしょう。

big4税理士法人の入社ハードルは高い

big4税理士法人の入社ハードルは高い

big4税理士法人は業界内での知名度が高く、一度は働いてみたいと考えたことがある人も多いでしょう。しかし、専門性が高い業務が中心のため、入社へのハードルは高いといえます。

また、分業制を採用しているため、幅広い業務を経験できないのがデメリットです。将来的に独立開業を考えている方は、一般的な税理士事務所でも経験を積んでおくことをおすすめします。

ウィズ総合事務所グループは税理士・社労士等の士業資格や簿記等の経理系の資格取得を目指している方を積極的に採用しています。

当事務所では資格取得に向けて全国でもトップクラスの支援制度を設けています。

一定の要件はありますが、教材費は事業者が全額負担しますし、最大2ヶ月間試験勉強に専念できる制度があります。
また、平常時においても1日6時間、週30時間を標準勤務時間としており、勉強、家庭、仕事のバランスがとりやすいように配慮しています。

働きながら勉強することは資格勉強にも相乗効果を生みます。

働きながら資格の取得を目指したい方は、ぜひウィズ総合事務所グループの採用の詳細をご確認いただき、よろしければご応募ください。

この記事の監修者

ウィズ総合事務所グループ統括代表 山本庸介

  • 大阪大学薬学部、同大学院薬学研究科卒業
  • 慶応大学経済学部卒業(通信教育課程)
  • 大手製薬会社に勤務後、税理士を志す
  • 2021年7月に大野市で山本総合会計事務所を開業
  • 2023年9月に税理士法人ウィズ総合事務所を設立

税理士試験に2年で5科目合格(簿財消相法)。開業2年でグループ売上1億円に達する。

従業員が資格を取得しやすい制度・環境を構築し、本事務所を運営。事業者のお客様に対しては、本業に集中できるよう、「事務代行屋」として支援を行う。

監修者(弊所代表)の詳細はこちら

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