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税理士試験は1年で合格できる?6科目受験もおすすめ
1年で一発合格するような勉強法はおすすめしていません。しかし、勉強をするのに自信があれば6科目の勉強に挑むのも構いません。
最終的にどの科目で合格してもよいとは思いますが、実務でよく使う科目を受験するのが王道です。
法人税・所得税・相続税・消費税から選ぶのがよい
国税4法である法人税、所得税、相続税、消費税から3つ選ぶのがよいと思います。試験に合格するだけを考えて、ミニ税法を選ぶ人も多いです。試験合格をゴールに考えるとその方法が勉強時間はより短くなると思いますが、どの道実務で未受験科目を勉強しなければなりません。
先に苦労するか後で苦労するかの違いですが、往々にして税理士になってから未受験科目を勉強しようとしても身に入りません。税理士試験というプレッシャーの中で、一生懸命勉強することで吸収率が格段に良くなります。
実務で使いそうな科目が最優先
税理士試験は暗記中心の古い試験制度だと思っています。試験制度が変わらないと税理士になりたい人は増えないのではとも思っています。しかしながら、この試験勉強を通じて学ぶこと以上に、実務に必要な基礎スキルを身につける良い方法はないと思います。近視眼的に試験に合格することだけを考えず、試験に合格した後の実務に役立つ科目を優先して学んで下さい。
自信のある方は6科目(簿財+国税4法)を勉強しては如何でしょうか。1年目4科目や5科目受験して、1,2科目不合格になったとして、2年目に未学習の科目を受験する。こうすれば試験勉強を通じて、国税4法の基礎知識が身に付きます。
実際に私自身もこの考えで受験勉強をしています。詳しくは「税理士受験記③ 無謀な(?)決断│1年で4科目受験に挑む」をご覧ください。
税理士試験の複数科目受験はマスト!
税理士試験の早期合格を目指すのであれば、複数科目受験は避けて通れません。仮に5科目合格を目指すのであれば、いかに早く5科目そろえるかです。途中で不合格があっても気にしません。知識は努力した分がなくなるわけではないので、翌年の受験に有利です。
合格率を上げられるのがメリット
仮に合格確率が8割、9割の実力があるのであれば、更に確率を上げるために細かな論点の精度を上げるよりも次の科目にチャレンジした方がいいと思います。合格確率8割の受験科目を2年連続で不合格となる確率は4%、確率9割であれば1%、7割だとしても9%です。一定の合格水準に達して、次の科目を勉強して合格率を3割ぐらいに引き上げられれば、4回受験すれば1回ぐらいは2科目合格できます。
本命科目とサブ科目を勉強する、両方合格できればラッキー、本命科目だけ合格したら、次年度はサブ科目を本命科目にして新しいサブ科目を勉強する。2,3年合格を目指すのであれば、本命もサブも数を増やして挑戦してください。
勉強の息抜きにもなる
複数科目受験にはまだメリットがあります。それは勉強の息抜きに他の科目の勉強をすること。勉強しているとどうしても調子が出ない時があります。暗記の進まない時もあります。時には息抜きも必要でしょう。その息抜きに遊んだりするのではなく、別の科目の試験勉強をするのです。仕事の報酬は仕事、勉強のご褒美は別の勉強です。
投資対効果が高い複数科目受験
受験費用面の負担が重いと考える人もいると思いますが、1年でも早く税理士になれば収入は上がります。時間価値を考えれば、投資対効果は十二分に高いです。ビジネスでは周りの環境変化を読みながら投資の意思決定をしなければなりません。試験勉強は結局のところ自分との戦いです。ただひたすら自分の力を信じてやり切るのみです。良い投資になるかどうかは自分次第です。
関連記事:税理士試験の5科目一発合格は難しい!最短合格を目指す6つのコツ
税理士試験の受験勉強のライバルを見つけろ!
早期合格を目指している人が初年度に2科目、3科目合格をすると周りからすごい!ともてはやされます。しかし、そこで満足してはいけません。すごい奴は全国各地どこにでもいます。自分の周りにいないだけです。
自分の目標になる人やこの人には負けたくない!と思える人を見つけてください。今の時代ならX(旧Twitter)とかでしょうか。私の場合は、skyさんという私と似たような経歴で2年5科目合格を1年早く達成された方を目標にしていました。この方は自身のブログ(http://zeirishi-sky.blog.jp/)で税理士試験の勉強や模試の結果を約280本あげていました。自分の進捗度と照らし合わせて、負けてたまるか!と思って勉強していきました。受験専念で2年5科目でしょ、私は働きながら2年5科目合格してやる!と思って、自分を奮い立たせていました(各科目の合格確度は圧倒的にskyさんの方が上でしたが)。
その他にも受験生のブログやYoutubeで税理士受験等のワードで検索して、勉強している人を参考にしていました。税理士受験生でなくても構いません。身近にいなくても、姿を知らなくても、自分のやる気を上げてくれるライバルや目標となる人を見つけてください。メジャーリーガーの大谷翔平さんや棋士の藤井聡太さん等同世代のすごい人を見習うのもいいかもしれません。才能のある人が人並はずれた努力をしている、才能のない私もやらないと!と自分を奮い立たせる人を見つけてください。
税理士を目指すすべての人へ!自分の道は自分で決めろ!
私の記事をはじめ、税理士が書く合格体験記はn=1(サンプルが一つという意味)です。有意差検定して有効性が実証されているものでありません。自分の体験は美化され、自分の行ったこと全てが正しいと思いがちです。実際はそうではありません。しかも、人によって認知特性(見る、聞く、話す、書くの何が得意か)が異なるので、他人の勉強法が自分にも合うかどうかはわかりません。
税理士の試験は頭の良さより自分に合った勉強法を!
また税理士試験は大人になってから勉強します。大学受験までのように同じ学年で似たような学力、似たような家庭環境の人ばかりではありません。働いている状況、家庭環境、年齢、地頭の良さ等の前提条件が同じ人なんてほぼいません。人から聞く勉強法や合格体験記等はあくまで参考情報にすぎず、自分に合った勉強法は自分で見つけるべきです。
専門学校も自責思考で選ぶ
専門学校も同じです。TACがいいか、大原がいいか、それとも別の専門学校がいいか、それは人それぞれです。どの専門学校でも合格実績はあります。TACで直前予想したところが出た、大原では重要度低かったという論点が出た、という時もあります。それは時の運です。だからといって専門学校を責めても結果は変わりません。その専門学校を選んだのは自分自身です。他責思考ではなく、自責思考で。自分の人生ですから自分で決めてください。
関連記事:税理士試験合格の秘訣
税理士になってからが本番だ!
税理士試験は通過点にすぎません。税理士になった人が良く言う言葉ですが、本当にそうだと思います。受験生は試験が長期化するとそれがゴールのように錯覚しがちです。
コミュニケーション能力や知識のアップロードが必要
試験問題では問題用紙に条件が全て揃っています。実務では資料を収集して問題文をつくるところから始まります。専門用語を使ってもクライアントは理解してくれません。コミュニケーション能力も必要になります。税法だけでなく、会社法や民法等の法律知識や労務等の周辺知識も必要になってきます。税制は毎年改正されるため、知識のアップデートも必要です。
試験合格後も膨大な勉強が待ち構えています。税理士試験を通じて勉強する習慣を身につけて下さい。貴方が目指している税理士という職業は、学ぶことが無限に広がっています。
プレッシャーをかけて仕事をやり切る
社会人の方なら理解できると思いますが、期限のない仕事はありません。プレッシャーのかからない仕事もありません。試験であっても同じです。周りに税理士受験を宣言して、自分にプレッシャーをかけてください。 試験勉強を通じて、勉強する習慣やプレッシャーのかかる中でやり切る力を養って下さい。早期合格した人はお勉強できても実務ができないねと揶揄されることがあります。そういう人たちに対しては実務で実力を見せつけるしかありません。残念ながら試験と実務には大幅な乖離があります。それでも、試験勉強を通じて得た勉強する習慣やプレッシャーのかかる中でやり切る力を活かせば、実務能力もものすごいスピードで身につくでしょう。
働きながら税理士試験の受験をする方へ
ウィズ総合事務所は税理士・社労士等の士業資格や簿記等の経理系の資格取得を目指している方を積極的に採用しています。
当事務所では資格取得に向けて全国でもトップクラスの支援制度を設けています。一定の要件はありますが、教材費は事業者が全額負担しますし、最大2ヶ月間試験勉強に専念できる制度があります。
また、平常時においても1日6時間、週30時間を標準勤務時間としており、勉強、家庭、仕事のバランスがとりやすいように配慮しています。
働きながら勉強することは資格勉強にも相乗効果を生みます。
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