消費税法編に続いて、2022年 税理士試験 国税徴収法編を書きました。
国税徴収法 勉強法
国税徴収法についてですが、まず国税徴収法について簡単に紹介しておきます。
通常の主な税法試験の配点というのは、理論問題50点、計算問題50点というものが多いです。しかし国税徴収法は理論問題が100点であり、計算問題はありません(場合によっては金額を出したりするために計算をし、電卓の使用もしますが、それも記述問題の解答の一部に過ぎません)。
したがって、国税徴収法で問われるものはただ一つ、どれだけ理論マスターを暗記したかということです。
そこで、私の今年の勉強についてですが、山本先生からTACの年内完結(9月開始12月終了)基礎マスターコースのDVD等を頂いたので、それを使って勉強しました。勉強を開始したのは、4月に入ってからで、約1か月ほどかけてDVD16枚を消化しました。そこからすぐに理論暗記を始めればよかったのですが、5月は消費税法の勉強の方に力を入れたので、6月に入るまで国税徴収法は手付かずな状況でした。
そして6月に入り、午前のみの出勤となったので、そこからようやく理論暗記を始めました。正直言って遅すぎです。基本的にはTACの教材を使用していたのですが、理論マスターはネットスクールのものを使用しました。それはなぜかというと、TACの国税徴収法の理論マスターについては、音声データが売ってなかったんですよね。
消費税法の時に書きましたが、私は暗記には音声を聞くというのが向いてました。そこで探したところ、ネットスクールには「ノウン」という理論暗記のアプリがあったのです。そのノウンには理論マスターの音声学習が可能な機能があったので、ネットスクールのものを使うことにしたのです。そしてこの判断が、今年の試験の結果を左右したと言っても過言ではありませんでした。
こうして6月からようやく理論暗記を始めたわけですが、これが一向に進みません。6月は毎日だいたい4時間ぐらい暗記に費やしていたのですが、覚えなければならないページ数は140ページぐらいあるんです。1ページの記述量にもよりますが、普通の記述量のページだと1回目の暗記に少なくとも1時間はかかります。したがって、6月が終わった時点でも、未だに全ページの1回目の暗記すら終わっていない状況だったのです。
ラスト1週間の追い込み
6月の終わりに山本先生との面談があったのですが、国税徴収法の進み具合を尋ねられた時に「このままじゃやばいですね」と言うと、先生が「それだったら7月は全部休みでいいから、勉強に集中してくれ」ということで7月は全休となったのでした。この先生の判断がなければ、理論暗記が全く不十分なまま試験に臨むこととなったと思います。
しかし、理論暗記の速度が速くならないことにはこの状況も好転しません。このとき、藁にもすがる思いで考え付いた方法というのが、前述のノウンを用いた「倍速音読」でした。そしてこの倍速音読は、私の理論暗記に革命を起こしました。
倍速音読とは何かといいますと、ノウンには倍速で再生するモードがあるのですが、その倍速再生の音声を聞きながら音読するというものです。元の音声再生がゆっくり目なので、倍速と言いつつもちょっと早いぐらいなのですが、それを聞きながら音読するというとかなりの集中力を要するのです。
短時間の音読だとそうでもないですが、長時間の音読になってくると集中力が切れて、自分のペースでやってるのでダレてくるんですよね。それを解消し、集中力を高めてくれることが大きかったです。さらに、消費税法の暗記で、自分には音声を聞くということ自体にも効果があることは分かっていたので、まさに一石二鳥の方法だったのです。この倍速音読に一縷の望みをかけて、理論暗記していくこととしたのです。
7月に入ると、倍速音読を毎日2週間続けました。ちなみに約140ページを音読するので1回で4時間弱はかかってました。そして、その後4時間は理論暗記です。これを続けたところ、理論暗記のスピードが格段に速くなりました。
ノウンでは全てのページの音声があったわけではなかったので、通常の音読を行うしかないページもあったのですが、倍速音読を行ったページと通常の音読を行ったページとでは、自分の中で暗記のしやすさにかなり違いがありました。やはり通常の音読しか行えないページは暗記しづらかったです。
そしてその後1週間は、ひたすら理論を回していきました。暗唱しつつ暗記を確認するというやり方で、1日8時間でだいたい半分ぐらいできる感じだったので、2日でなんとか1周してました。その後最後の1週間にようやく実戦問題を解いていったという感じです。
国税徴収法もTACの直前講座は受けていたので、授業自体はもちろん受けてましたが、答練の問題は全くの手つかずであり、最後の1週間に全て解きました。しかし記述している時間はないので、書いて解いたりはしなかったです。理論暗記自体は何とか間に合わせた感じだったので、実戦力は全く足りてませんが、本番でも一応勝負はできるのではないかと自分では思ってました。そして、遂に試験の日を迎えるのです。
後編に続きます。