こんにちは。山本庸介です。
今回は父親の件と祖母の件が立て続けに起こり、誰も私の決断を望んでいません。そうです、私が自分勝手に決めたことです。誰かに勧められて税理士を目指している訳ではありません。だからこそ結果をださなきゃ!と覚悟が決まったお話を書きます。
前回のエピソードは「税理士受験記③ 無謀な(?)決断」をご覧ください。
税理士の試験勉強で必要なこと
試験勉強で必要なことは気合と根性、そして覚悟だと思っています。やるしかない状態に追い込まれると人間否が応でも勉強します。体育会系に聞こえるかもしれませんが、凡人が短期間で税理士試験に合格するには圧倒的なボリュームをこなさないといけないんです。誰しも1日24時間、365日という平等の条件で、上位10%に複数科目で入る必要があります。言い訳せずに勉強する。できない理由を考えるぐらいならできる方法を考える。この時期はひたすら勉強していました。消費税法は速習コースではなく、基礎マスター+上級コースを選択しました。4月から勉強始めましたが猛烈に追い上げました。元々講義の数も少なかったですが、4月中に講義のペースに追いつきました。
勉強しかしていません。その記憶しかありません。ご飯を食べるときもお風呂に入っているときも勉強していました。1日10時間とかいうレベルではなく勉強していました。
5月からは直前期がスタートして、講義の内容も答練も急に難しくなりました。税法の理論暗記も本格的にスタートします。直前期に入った時の各科目の勉強方法を中心に書いていきます。
簿記論の勉強時間・方法
簿記論は上級期を通じて一桁%をキープしていました。一番自信のある科目です。しかし、直前期から答練が格段に難しくなります。計算スピードには自信があったのですが、時間内に全ての回答を埋められなくなりました。答練での点数が60点や70点ぐらいに下がりました。TACの赤ペン先生からはExcellentと書かれて答案が戻ってきます。確かに良い順位をキープしていましたが、点数が悪くなったので落ち込みます。先生からは全部解こうとせず、問題の取捨選択が大事、みんなが解けるところを確実にとること、と言われます。ですが、難しい問題を解こうとする気持ちを中々捨てられませんでした。
新たな学習項目として、リースの貸手側の処理、外国子会社、合併や事業譲渡などの論点を学びました。こういう範囲は公認会計士が担当する大会社しかやらないのでは?実務でやることあるのか?と思い、あまり興味が持てず、特殊商品売買の難しい問題なんかをやっていました。
財務諸表論の勉強時間・方法
計算はできますが、理論を覚えておらず自己流で書いていたので、答練の点数は伸び悩んだままです。TACの財務諸表の理論テキストは原文の表現を大事になるからか、覚えづらかったです。それでもキーワードだけは覚えようとしました。キーワードをつないで回答をつくれるようにしようと思いました。
後、意識したのは、P/LとB/Sの歴史的な変化です。同じ事象であっても、静態論⇒動態論⇒資産負債アプローチへ考え方が変わっていって、P/LとB/Sの内容がどのような変化していったか、なぜそのような変化が必要であったか、財務諸表を利用する利害関係者がどのように広がっていったか、利害関係者が求める情報がどのように変わったか等を理解するように意識しました。その上で、個別論点がどこに位置づけられるのかを考えるようにしました。
受験当時は発売していなかったですが、「会計の世界史―イタリア、イギリス、アメリカ 500年の物語」という本は会計の歴史を物語形式で読めるのでお勧めです。
消費税法の勉強時間・方法
かなり遅れて始めたので講義DVDを一気にみました。細かな論点でよくわからないところがあっても気にせずに突き進みました。その後問題集も一気に解きました。自分がよくわかっていないところは解けないので、苦手分野がわかります。わからない部分の講義DVDを見返して、その後問題集を解くということを2,3回繰り返しました。そうすると、消費税法の全体像をおぼろげながら掴んでいくことができました。
計算をある程度やって、全体像をある程度把握してから理論暗記を行いました。税法の本格的な暗記はこのころから始めました。最初は何度も何度も書いて覚えようとしましたが、手がつかれるのと、暗記スピードが上がらないので、何度も音読して暗記するスタイルに変更しました。
これはTACの先生が講義で言っていたのもあるし、受験生のブログを見ていて、法人税法や所得税法等の暗記ボリュームの多い科目に進んだ時に、書いて覚える方法では間に合わないと言っていたので、早めにやり方を変えました。
暗記が得意な人は中々いないと思います。私は暗記が苦手です。それでも、過去に英語勉強をしていた時は、どうしても単語を暗記する必要がありました。その時試していた方法で、夜寝る前に暗記を行なうと覚えやすいなと実感していました。実際に寝る前30分に暗記をするのは記憶の定着にいいという研究結果もあるそうです。
お風呂で音読、夜寝る前に音読、朝起きてから暗記できているか確認のために音読、出来ていない部分は日中のスキマ時間で音読を繰り返していました。新しく題目を暗記する際は1,2時間かけてがっつりやるのですが、その後はスキマ時間で暗記できているか確認していました。
TACは理論暗記CDを販売していたので、それを買って、散歩する時や車の運転をしている時等に聞いていました。英語学習では「シャドーイング」と言って、聞こえてくる英語音声をそっくりそのまま真似して口に出すという学習方法があります。税法の暗記でもシャドーイングを行っていました。シャドーイングを行うと、条文のリズムが体に染みついてきます。覚えたテーマは暗記CDと同じタイミングで音読して、暗記できているかチェックしていました。
最後の仕上げとして、暗記したお題を紙に書いていました。頭に入っている文章を素早く書き起こせるか、漢字が書けるかを確認していました。筆記用具は色々試しましたが、この頃には、「ゼブラ ゲルインクボールペン サラサドライ 0.4mm 青」が早く書ける気がしていたので、このボールペンでいこうと決めました。
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相続税法の勉強時間・方法
他の3教科の余った時間で相続税法の溜まった講義DVDや問題集、理論暗記をやっていました。上級コースを少しずつ消化していった程度です。この頃には1年4科目はきついかな、諦めるなら相続税法だなと思っていました。当初、相続税法を含めた3科目合格を目指していたので、トーンダウンする気がして情けないなと思いました。答練では自分なりにできたと思っても、順位は伸びませんでした。相続税法は他の科目より1段ハードルが高いなと思っていました。
(おまけ)税理士以外の勉強
実はこの頃、慶應大学経済学部の通信教育課程に在籍していました。在籍年数はなんと12年。通信教育課程の在籍期間は原則12年が限度です。12年を過ぎると期限切れで退学なのですが、今後気合を入れ直して卒業しますの書類を出して認められれば3年間の特別延長ができます。私は特別の延長が認められました。慶應大学の通信課程は通信教育の中でも超難関で中々卒業できません。私が入塾した2005年当時は入るのは簡単だけど卒業は1%ぐらいしかできないと言われていたと記憶しています。今は入るのすら難しいようです。
特別延長してもらった3年間で卒業するために、こちらの勉強もしていました。慶應通信の難しさは何といってもレポートの難しさにあると思います。提出しても提出しても不合格・再提出となります。それでも何とか一つづつ単位を積み上げて、年間で20~30単位ぐらい取得しました。
税理士試験の勉強時間と内訳
当時の勉強時間は、1日12~17時間ぐらいで、簿記論:財務諸表論:消費税法:相続税法=2:2:5:1ぐらい比率だったと思います(慶應通信を含めると+1~2時間程度)。4科目となると1週間に講義7回、答練3.5回のペースで新しいものが出てきます。元々遅れている分があるので、もっと過酷なペースでした。講義聞いて、問題解いて、暗記して、毎日勉強しかしていませんでしたが、それでも相続税は中々追いつかない状況でした。
…つづく